第168回ペットにまつわるエトセトラ

160826tbcTBCラジオに今朝、8時30分からペットにまつわるエトセトラで生出演してきました。お題は、動物園内の動物の幸せについてでした。

「環境エンリッチメント」という言葉をきいたことがありますか?動物園での飼育環境は、動物たちが長年かけて適応してきた本来の生息地の環境と比較すると、どうしても、狭く、単純で、変化が少ないものになりがちです。そこで飼育環境に工夫し環境を豊かで充実したものにしようという試みのことを環境エンリッチメントと言っているそうです。

エンリッチメントの方法 動物たちの暮らしを豊かにする、といっても、具体的にどのような飼育環境を目指せばいいのか?1つの参考基準として「動物が持つ野生本来の行動を発現できるような施設作り」がある。動物はそれぞれ生息地に適応した体の特徴や生態、社会を持っている。そこで、飼育環境を本来の生息地環境に少しでも近づけるようにエンリッチメントを行う。エンリッチメントは、5つに分類。

採 食 動物が、野生本来の採食行動を発現できるよう、餌の種類を増やしたり、与え方を工夫したり、回数を増やすなどの工夫をします。

社 会 群れを作って暮らす動物は、群れで飼育します。オスメスの数や年齢の構成も野生に似せます。また、飼育員や他の動物との社会的な刺激も、効果的です。

認 知 知能の高い動物にとっては、頭を使うこともエンリッチメントになる。また、複雑な動きをするおもちゃの設置や、遊具の導入設置もいいです。

感 覚 見晴台を作ったり、新しい動物の匂いをつけたり、他の群れの声が入ったテープを流したりします。五感を刺激して、環境に変化をもたせます。

空 間 木の上で暮らす動物には登ることができる場所、水を使う動物には水場をつくるなど、動物の行動特性に配慮した空間作りをおこないます。平面的な広さだけでなくその空間の内容が重要です。ロープやハンモックを取り付けると、立体的に利用できる空間が広がります。

動物にとって何が、幸せなのか?野生時代の生き方にヒントになります。人間から見た視点だけでは足りないことがあるのです。やはり動物についての知識を得ることが大事!動物のためにも私たちは、勉強が必要なのです。良かれと思ったことが、学んでいなければ動物には、虐待になることもあるのです。私たちは、楽して楽しければできれば幸せな気がしますが、環境エンリッチメントから考えると苦労の後に幸せを感じるものであるとすれば今、苦労されている人は、これから大きな幸せを感じる可能性が高い時期に来ていると言えるかもしれません。みんなで頑張って明るい未来を築きましょう。

H28年8月26日(金)犬種別の性格の違いについて(169回目)についてお話しましょう。

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